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うつ病とは これから治療を始める方に(症状・原因・治療など)

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うつ病とは?

うつ病が、どのように起きるのかについてはまだはっきりと分かっていませんが、感情や意欲は脳が生み出すもので、その脳のバランスが崩れ、脳の働きになんらかのトラブルが起きていると考えられます。具体的には、脳の神経細胞同士でやり取りされる神経伝達物質(セロトニン、ノルアドレナリン、ドパミン)のバランスの乱れが関係している可能性があります。

うつ病を気の持ちようだ、心の弱い人だけがなる病気だと思っている人もいますが、うつ病は治療の必要な病気です。心の「骨折」といわれるぐらい、決して軽い病気ではなく、自然に症状が治まるのを待っていては、病状が悪化してしまう場合もありますので、早期発見・早期治療が大切です。うつ病になると、こころのエネルギーが欠乏してしまったような状態になります。こころのエネルギーが欠乏することによって、体とこころにさまざまな症状が出ます。気分が沈む、意欲が減退してやる気がでない、何事にも興味が持てない、思考力が低下する、眠れないというような状態が長く続きます。

環境の変化などストレスが重なって気分が落ち込み、何をやっても楽しくない、何もする気が起きないというように憂うつで気分が落ち込むことが誰にでも起こりえますが、大抵は一時的なものです。このような状態がいつまでも続き、いつまでたっても回復しないような状態をうつ状態といい、これが2週間以上続くような場合はうつ病の可能性があります。また、うつ病は、長期間にわたり強い抑うつ症状が続くことで生活に支障が生じます。

うつ病は珍しい病気?

日本人では、うつ病は一生のうち15人に1人がかかるといわれており、うつ病は決して珍しい病気ではありません。特別な人がかかる病気ではなく、誰でもかかる可能性があります。
2017年度の厚生労働省 患者調査で、うつ病患者さんの総数は約96万人とされており、うつ病患者さんの総数は年々増えています。2020年の日本におけるうつ病患者数については、新型コロナウイルスの影響で、うつ病やうつ状態の人の割合が2013年の7.9%から2020年には17.3%に増加したと報告されています。

うつ病の原因は?

うつ病の原因は、1つではなく、遺伝的要因や脳機能、これまでの経験、性格、自分を取り巻く環境、そしてストレスが積み重なり、相互に関連することで脳細胞の活動性のバランスが崩れ、発症するといわれています。心配事や過労・ストレスが続いたり、孤独や孤立感が強くなったり、将来への希望が見い出せないと感じたときなどにかかりやすくなります。

うつ病になりやすい気質(性格)としては、几帳面、生真面目、完璧主義、自分に厳しい、凝り性、責任感が強い、絶えず人との折り合いに気配りをするようなタイプなどがあげられ、そのような性格のためにエネルギーの放出も多く、ストレスを受けやすいと考えられます。

自殺にいたる危険性もあります。

うつ病は心身のエネルギーを低下させ、いろいろな病気の原因になったり、病気を悪化させたり、最悪の場合は自殺の恐れもでてきます。自殺には、健康の問題や経済・生活の問題、うつ病など様々なことが複雑に関係しているといわれています。

自殺者の多くは、その直前にうつ病、統合失調症、アルコール依存症等何らかのこころの病が考えられる状態であったことが明らかになっています。その中でも特にうつ病は多くの人に見られます。WHO 世界保健機構によると自殺で亡くなった人のうち精神障害のある人は90%に及び、自殺関連行動と最も関係のある精神障害のうちの1つはうつ病とアルコール使用障害であるという研究結果(2014年)も示されています。

うつ病のサイン

うつ病は、初期の場合は精神的な症状を「うつ」と捉えにくく、身体症状を主な症状として捉えている人も多いといわれています。

身体に表れる不調…眠れない(眠りすぎる)、食べたくない(食べすぎる)、だるい・体が重い、目がかすむ、頭痛、腹痛、腰痛、胃腸の調子が悪い(便秘、胃もたれ等)、心臓が苦しい(動機、圧迫感等)、夕方より朝の方が気分や体調が悪い

こころの不調…憂鬱、不安、イライラする、ひどく焦る、死んでしまいたい、楽しめない、周囲に申し訳なく感じる、自分が悪く思えて仕方ない、頭が働かない、集中できない、記憶力が落ちた、決められない、希望が持てない、マイナス思考、考えが堂々めぐりする、気力がわかない、身体が動かない、性欲がわかない、今まで簡単にできていたことができない、興味が持てない

うつ病になると様々な症状が出ますが、わかりやすいうつ病のサインは不眠と食欲不振です。理由もなく突然涙が出る場合も危険です。

眠れない、夜中に何度も目が覚める、早朝に起きてしまう…

食欲がない、おいしく感じない、体重が減った…

このような不眠と食欲不振が2週間以上継続している場合は注意が必要です。

心当たりのある方は早めに相談機関への相談や専門機関を受診してみてください。

うつ病の種類

「メランコリー型」、「非定型」、「季節型」、「産後」などがあります。

「メランコリー型」は、典型的なうつ病と言われることの多いタイプです。さまざまな仕事や責務、役割に過剰に適応しているうちに脳のエネルギーが枯渇してしまうような経過をたどるものを指しています。特徴としては、良いことがあっても一切気分が晴れない、明らかな食欲不振や体重減少、気分の落ち込みは決まって朝がいちばん悪い、早朝(通常の2時間以上前)に目が覚める、過度な罪悪感、などがあります。

それに対して「非定型」は、良いことに対しては気分がよくなる、食欲は過食傾向で体重増加、過眠、ひどい倦怠感、他人からの批判に過敏、などの特徴があります。

「季節型」は「反復性」の一種で、特定の季節にうつ病を発症し季節の移り変わりとともに回復がみられます。どの季節でも起こりうるのですが、冬季うつ病がよく知られていて日照時間との関係が指摘されています。

「産後」のうつ病は、産後4週以内にうつ病を発症するものです。ホルモンの変化、分娩の疲労、子育てに対する不安、授乳などによる睡眠不足など、不健康要因が重なることが影響していると考えられています。

どのくらいの期間治療が必要?

うつ病の治療期間は、「急性期」、「回復(継続治療)期」、「再発予防(維持治療)期」と大きく3つの期間に分けられ、各期間の長さは「急性期」が6~12週間、「回復期」が4~9ヵ月、「再発予防期」が1年以上とされています。
うつ病の治療を始めればすぐに症状が回復するわけではなく、症状が良くなったり悪くなったりを繰り返しながら、少しずつ回復に向かいます。

うつ病は、治療しなかった場合でも6~12ヵ月で6~7割が改善するとされています。しかしその一方で、治療をしても1年以上症状が改善しないなど症状が長期化してしまうことがあります。そのため、症状の悪化を防ぐためにも、医師の診療を受けることが大切です。

うつ病の治療を受けても、症状改善後の半年間は再発率が高いことがわかっています。そのため、ほとんど症状があらわれない寛解に達した後も、根気強く治療を続け、「回復期」と「再発予防期」を過ごすことが大切です。

うつ病の治療方法とは?

うつ病の主な治療法は、休養・環境調整・薬物療法・精神療法の4つです。薬を服用しながら環境や、生活習慣、考え方を整えていきます。

休養

うつ病は、真面目で仕事や勉強を一生懸命する人に多い病気なので、休むことに罪悪感があるかもしれませんが、回復のためには何よりも休養が必要です。一度しっかりと休みをとり、心と身体を十分に休ませてください。休むことは悪いことではありませんし、「何かやらなければ」とあせることもありません。休養をとることは、うつ病から回復するために非常に重要です。休養の秘訣はとにかく何もしないことです。
病気による休業が認められる期間やその間の経済的な保障、職場復帰の際の手続きは、職場によってさまざまです。休業にあたってはそれらを確認した上で、安心して治療と休養に専念しましょう。

環境調整

十分な休息をとるためには、ストレスを感じない環境づくりを心がけてください。仕事は一度休職し、うつ病を発症した要因となるものを遠ざけて、安心できる場所を確保しましょう。ひとりで抱え込んでしまい、そのためにオーバーワークになる傾向のある人は、目の前の事を周囲の人に頼み、家事は家族に依頼し、しっかり休める環境を作りましょう。家庭自体がストレスとなってしまう方は、実家に帰省する、入院するなども検討してみてください。

薬物療法

日本国内でのうつ病の薬物療法では抗うつ薬を処方するケースが一般的です。
主にSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)やSNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)、NaSSA(ノルアドレナリン作動性・特異性セロトニン作動性抗うつ薬)などが使われます。他にも三環系や四環系と呼ばれるものもあり、医師はこれらの抗うつ薬の中から患者の症状に合ったものを処方します。薬に頼ることに抵抗感をお持ちになる方もいらっしゃると思いますが、薬は脳内の神経伝達物質のバランスを正常に近づけるので、悪かった気分や意欲、睡眠、食欲などの症状が和らぎます。治療薬の基本は「抗うつ薬」ですが、症状に応じて「睡眠導入剤」、「抗不安薬」が組み合わされます。一般的に「抗うつ薬」は少量から始め、症状を見ながら徐々に増やして調整していきます。効果が出るまでに通常2~4週間ぐらいかかります。人によっては、薬を飲み始めてすぐ「口が渇く」「便秘」「吐き気」などの副作用が出ることがあります。

うつ病は治療を開始してすぐに改善するわけではありません。例えば、うつ病の治療に効果的な抗うつ薬は種類が多種多様あり、自分に合った抗うつ薬を見つけるのに時間がかかることもあります。症状が落ち着いても、再発を予防するためにある一定の期間は薬を飲み続ける必要があります。焦らずに服薬を続けましょう。

抗うつ薬に対する過度な期待は禁物です。うつ病やうつ状態に対して処方される抗うつ薬の多くは、脳の神経細胞同士でやり取りされる神経伝達物質(セロトニン、ノルアドレナリン、ドパミン)などの神経伝達物質に働きかけることで症状を改善させるもので、ストレスに強くなって元気になる特効薬ではありません。

精神療法

抗うつ薬でストレスをため込みがちな性格傾向や考え方は変わりません。精神療法・カウンセリングは、主に再発予防という観点が中心となります。同じような状況の中で、うつ病が再燃・再発しないように、ご自身の思考パターン・行動パターンを見直すということになります。カウンセリングなどを行って、うつ病の原因となった心の問題を解決していきます。「どう対応すれば良かったか」「どう考えれば良かったか。」ストレスをため込みにくいものの見方などをカウンセラーと考えることで、社会的適応力を高めていきます。
自分自身の考え方(認知)の傾向を理解して、より現実的で問題が解決しやすい「もののとらえ方」を学びます。自分自身の行動を分析して、行動に変化や修正を加えることで、行動によるこころの状態変化を学びます。この2つを組み合わせたものを認知行動療法といい、感情や気分に影響を及ぼしている偏ったものの見方や考え方を修正し、より現実的で幅広い捉え方ができるようにしていく治療法です。認知行動療法は、中等症や重症の患者に行うと改善しやすく、その後の再発もしにくいことがわかっています。

うつ病の治療に大切なこと

まずは、ご自身がうつ病について知る

インターネットなどで、容易にメンタルヘルスに関する情報を入手できるようになりました。心の病気そのものをわかりやすく解説したものや、ストレートな体験記などたくさんのものがあります。ストレス対処についても、さまざまな手法やコツが紹介されています、その中から自分に合ったものを選んで試みることができます。

うつ病の回復には個人差がありさまざまです。また、よくなったり悪くなったりを繰り返すため、一時的に悪くなっても、あせらずに治療に向き合うことが大切です。「自分はいないほうがよい」「消えてしまいたい」といった気持ちになることがありますが、そんな気持ちになるのも病気が原因です。しっかり治療することで症状は改善します。

治療途中で薬を中断しない 

抗うつ薬は副作用も多く、効果を感じない、気分が回復したと感じたことで自分の判断で薬の服用を中止したり、量を減らしたりする方が多いようです。急に薬をやめると再発や病状の長期化、その他の副作用(倦怠感や吐き気など)の原因にもなります。薬をやめるタイミングは必ず医師と相談しましょう。

うつ状態が長く続くこともあり、辛抱強く治療する

うつ病の治療を始めたら、できるだけ休職などの対処をとり、ストレスを遠ざけてゆっくりした時間をすごすよう意識してください。仕事への復帰は、必ず医師と相談して慎重に判断しましょう。

あせらず自分のペースで、できることから始めることが復帰を成功させるための第一歩です。休職期間が長くなると、どうしても焦りが生じやすくなります。仕事を休職しても「早く復帰しないと迷惑がかかる」と焦ったり、休職期間に対して負い目を感じたり、「休み方がわからない」と感じたりする方も多いようです。しかし、まだ症状が十分に完治していないのにすぐに職場復帰などの無理をすると、せっかく良くなっていてもまた症状を悪化させてしまうこともあります。結果的に再休職に至ったりしてしまうと、そのまま休職を継続していた場合よりも働けない期間が長くなってしまうこともあります。心身ともに消耗しており、無理をすればするほど悪循環に陥ってしまいます。頑張りすぎないで、しっかりと休養をとり、辛抱強く治療する必要があります。

重大な決断は回復してから

うつ病の症状の1つに判断力や思考力、集中力の低下があり、正常な判断ができない場合があります。また、抑うつ症状から考え方が悲観的になっている場合もあります。
そのため、退職や離婚、自宅を売るなどの重大な決断は、症状が改善されるまで先送りにするのが賢明です。退職や離婚などは大きな決断です。一刻も早く会社やパートナーから離れたいと性急に結論をだし、あとから途方にくれるケースも珍しくありません。時間をかけて十分に検討しましょう。決してご自身だけで決断せず、医師や家族に相談しましょう。

うつ病ではない可能性も考える

うつ状態があると「うつ病」と診断されがちですが、実際にはうつ病に似た別の病気だったというケースも見られます。よく間違われる病気に憂うつな気分が続き、長いうつ状態の間に、ごく短期間だけの軽躁状態が現れ、その後は長いうつ状態と短い軽躁状態を交互に繰り返す双極性Ⅱ型障害というものがあります。軽躁状態が、いつもより調子がいいくらにしか感じられない場合もあり、それゆえに、それが双極性障害Ⅱ型の症状だと本人も周囲も気づかないことがあります。実際、正しく病名を診断するためには、数年かかるとも言われているほどです。うつ病と双極性Ⅱ型障害では、治療法が大きく異なります。薬の処方が違います。双極性障害の薬物治療には、気分安定剤や抗精神病薬を使います。

あまりにも症状が改善しないという場合や再休職を繰り返している場合は病名を疑ってみることが大事です。過去の行動を振り返り、軽躁がなかったかを探るのも有効です。

また、男性ならば男性更年期障害の可能性もあります。不安や不眠・倦怠感・抑うつなど、うつ病と似た症状を感じます。治療方法は全く違いますので、あらゆる可能性を考えて医療機関を受診してみましょう。

発達障害が隠れている可能性も考える

発達障害の影響で二次的にうつ病を発症することがあります。発達障害の診断を受けたことがなく、発達障害だということが分からないまま大人になった人は、うつ病を患って初めて発達障害の影響を知ることがあります。発達障害の人は、子どもの頃から叱られたり、責められたり、周囲からの理解を得られずに受け入れてもらえない場合が多く、孤立してしまいがちです。そのような経験を重ねていくと、自分に対して否定的な評価しかできなくなり、うつうつとした気分に陥ったり、不安が強くなったりします。

発達障害の特性によって、相手の表情を読み取れなかったり、忘れ物が多かったりすることで、対人関係や仕事でたびたび失敗してしまい、うまくいかないことで、うつの症状が悪化していきます。こうした悪循環によって生じるのが「発達障害の二次障害としてのうつ病」です。

気を付けなければならないのは、うつの症状が治療である程度改善しても、発達障害による問題を放置したままだと、うつの症状の悪化や長期化、再発につながりかねないということです。うつ病の治療をまず優先し、そののちに発達障害の問題に適切に対処する必要があります。

自宅安静の過ごし方

〇ただ、休めばよいというものではない
まず、短期間の自宅安静は意味がありません。ここでいう短期間とは、一ケ月に満たない期間です。ごく一過性のストレスであればそれでも問題ないのですが、慢性的なストレスによって起きた適応障害では、一週間や二週間休んだところでなんの解決にもならないのです。短い期間でも身体不調はある程度回復しますが、ダメージを受けた心の回復には最低でも一カ月かかります。p194
また、細切れに休みをとるのもよくありません。例えば、一週間休んで、ちょっとよくなったからといって復職するといったパターンです。これは、一時的に改善したように見えても、すぐにまた悪くなることが多いのです。p194-p195
また、休む期間をはじめから限定するというのもよくありません。例えば、休みは一カ月しか取れないといったケースです。これは一カ月後には復職しなければならないというゴールが必然的に設定されることになり、精神的な圧迫になります。十分な休養を取る前に復帰の期日が決められると、そこに近づくほどに不安や緊張が高まって、症状が悪化していきかねません。
では、どうするか。
まず、自宅安静は思い切って長期間休むことです。p195

もしかして、適応障害? 会社で“壊れそう”と思ったら 森下 克也 (著)

医者から自宅安静を指示されたものの、どう過ごしていいかわらかないということがよく起こります。自宅安静の時の期間を『ダラダラ期』『活動期』『復職期』の三期に区切り、それぞれに適切な過ごし方を考えていきます。

三つの期間がそれぞれどれくらいの時間を要するかは、状況によって幅があります。一般的に、メンタルヘルス不調の回復には時間がかかります。必要な休養期間が半年から一年以上に及ぶことも稀ではありません。どの期間も最低でも一ケ月は必要です。もちろん軽症で早期に治療を開始した場合には、より早く復職期に移行することが可能です。

ダラダラ期

ダラダラ期にやること 
徹底的に何もしない。苦痛がなく自身の心の癒しになることを積極的にする時期です。
ダラダラして、気力と体力の回復を図ってください。寝たいときに寝て、起きたいときに起きて、音楽を聴きたければ聴いて、アニメを見たければ見て、散歩に出たければ出て、一日ソファーでゴロゴロ過ごしたり、テレビをぼんやり眺めてください。普段忙しいことに慣れていると、ダラダラすることが難しくなりますが、力を抜いて、ぼーっとする時間を増やしてください。

だんだんと、食欲が出てきて、体調も良くなり、だいぶ本も読めるようになってきた。そうすると動きたいという欲求が少しずつ出てきます。そうなったときが次の活動期に移る時期です。

活動期

活動期にやること 
①溜まってきた気力と体力を使って、楽しみながら活動範囲を広げていきます。
趣味、運動、旅行などあなたにとって楽しいことを積極的にする時期です。休んでいる間、ひたすら楽しい、おもしろいというものに没頭してください。

②いかに再発させないかを考える。
ストレスそのものが問題だったのか、自分自身のストレスへの対処の仕方に問題があったのかを見極めます。休職原因の把握と対処法を考えたり、ストレスや疲労への対処の仕方を学んだり、場合によっては認知行動療法を行ったりします。日々の生活でのやることを無理のない範囲にセルフコントロールし、自分自身の限界を超えないようにセルフモニタリングなどを使って工夫してください。

体と心がリラックスしてゆとりが出てくると、やがて働きたくなってきます。復職するにあたって、働きたいという欲求が少しずつ出てきます。そうなったときが次の復職期に移る時期です。

復職期

復職期にやること
①生活リズムを、職場のリズムに戻します。就業時間に合わせて少しずつ、人と合ったり、図書館に行ったり、ジムにいったりして、活動できる時間を延ばしていきましょう。どこかへ「通う」習慣をつけることも大切です。場所はどこでも構いません。「通う」習慣をつけることで生活リズムが安定してきます。

②主治医と相談して復職の時期を確認する。
日常生活が問題なく送れるようになってきたら、復職に向けて主治医と相談をしましょう。主治医は以前はどのような症状があり、いまはどの程度緩和されているかなどこれまでの経過や治療の見通しを総合的に判断した上で「復職できる状態であるか」判断します。自己判断で「もうよくなったので復職する」と決めることのないようにしましょう。

③外部環境を調整する。
例えば、職場での過剰な負荷や人間関係が問題の場合、職場側の人事担当者と仕事の量・質・場所の調整をしていき、復職後の再休職を防止します。具体的な調整の形は復職時期、試し出勤、時短勤務、異動などの配置転換、業務内容の調整です。

④状況次第で転職に向けて動きはじめる。
転職のための行動を始めてよいかどうかは、職場復帰と同様に、必ず医師の判断を仰ぐようにしましょう。ブラック企業の場合 個人でコントロールできることは限られています。ブラック企業に復職したとしても、過重労働、人手不足、パワハラなどの企業体質は改善しておらず、再度、荒波に飲み込まれ、自分自身が壊れていく可能性があります。総合的に踏まえた上で「現職に留まるのが得策ではない」と考えた場合は、転職を検討するとよいでしょう。ブラック企業はあたなを守ってくれません。自分の身はご自身で守る必要があります。辞めさせてくれない会社ならばすぐに逃げてください。働くことは命あってのことです。

定期的に相談する

無性に苦しかったり、不安でたまらないとき、やるせないとき、誰かと話したいときなどありませんか?どうしていいかわからない、涙が止まらない・・・

「死にたい」「1人でいると孤独や不安が押し寄せてくる」「自分なんて生きている価値がない」 「生きることに疲れた」「自分を責めてしまう」「何もしたくない、気分が沈む」「家族や友達がいても負担をかけてしまうと心配で話せない」「誰にも言えない、苦しい」「病気のことを話せる人がいない」

そんな気持ちを一人きりで抱え込んでいませんか?
誰にも言えなかったり、共感してもらえなかったりするとこころがしんどくなるのではいでしょうか。

死にたい気持ちを抱えた時、周囲に心配をかけまい、とひとりで抱え込んでしまうことがあります。死にたい気持ちを繰り返し反芻する中で、こころの中は、破裂してしまうほど苦しくなります。苦しみを持つ人同士が、辛さを安心して吐き出せる場 リアルでもネットでもいい、苦しさを分かち合って一人ではないと思えること 安心して「苦しい」と吐き出せる場所や相手が必要です。『苦しい気持ちをあなた(ここ)だから、言えた』という場所が求められています。

八方ふさがりで、何をどうしてもうまくいかないような気持ちになっているのであれば、どなたかに相談してみてください。いかに孤立しないかが大事です。人と話すと、閉じ込めていた思いを打ち明けることができてほっとしたり、自分ひとりでは気づけなかったことを見つけたりすることができます。相談相手は、家族や友人など身近な人、ネットの知り合いでも良いですし、医療機関や相談機関、自助会、なども良いです。どうか思いを分かち合ってください。